サッカー選手や監督の第一ミッションとは?

初めに断っておくと、私はサッカーファンではない。

ファンではないどころか、かなり興味がない部類の人間だと思う。

中学高校くらいの頃は、ワールドカップ日本代表のゲームを1秒も観なかったとクラスメイトに正直に話して非難されることもしばしばあった。

今もほとんど観ないのだけれど、いい大人なので、さすがに強く非難されることはない。

たまに、あんたは人生で何が楽しみなんだ?と嫌味を言われるくらいだ。

(ちなみにスポーツ観戦以外でならそれなりに楽しみはある)


そんな私だが、たまたま気が向いて、6/28の日本vsポーランド戦をテレビで観ていた。

サッカーの試合を見ることが全く無い訳ではなく、観たら観たで結構面白く観れるものだったりする。


この試合は、終了10分前くらいから、かなり特殊な状況になった。


日本は、コロンビア、セネガルポーランドと一緒の予選グループに入っており、この4チームで総当たり戦をして2チームのみが決勝トーナメントに出場できるらしかった。


ルールはよく知らないが、勝てば勝ち点3点、引き分けると勝ち点1点で、基本的には勝ち点が多い2チームが決勝に進出する。

勝ち点で差がつかない場合は得失点差の合計が多い順に、得失点差でも差がつかない場合は得点数の合計が多い順に、それでも差がつかない場合はイエローカードの数が少ない順に出場チームが決まるそうだ。


日本vsポーランドは予選第3戦目で、日本はポーランドに対して勝つか引き分ければ確実に決勝進出が決まる、という状況だった。


しかし、後半が始まって少し経った頃、日本はポーランドに1点を入れられ、1-0になってしまった。


実力的にはポーランドは日本より上と評価されていたが、それまでの予選2戦は負けていた。

3戦全敗では自国のファンにボロクソに言われてしまうので、最低でも一勝はしたいという状況だったようだ。

日本が勝つか引き分けになる可能性はどちらかというと低い。


一方、1-0で負けても日本が予選通過できる可能性があった。

それは、同時に行われていたコロンビアvsセネガル戦で、セネガルが0点のままコロンビアが勝てば、セネガルと日本は勝ち点、得失点差、得点数で並ぶ。

それまでの試合でイエローカードの数は日本が少なかったので、日本が予選2位で通過できる。


ポーランドに1点取られたときは、必死で挽回しなくては、という雰囲気だったが、試合時間10分を残したあたりで、1-0でコロンビアがセネガルに勝っている、という情報が入ると、急に選手たちの行動が変わった。

日本は全く攻めなくなり、パスを回すだけで時間稼ぎをする作戦に出たのだ。

仮に1-0のままコロンビアがセネガルに勝つと予想した場合、日本はポーランドに2点目を入れられなければ予選突破できる。

ポーランドの方はそもそも何点とっても予選敗退が決まっていたので、最後のゲームが勝ちで終わってくれればなんでもいい。

その結果、どちらのチームも一切点を取りに行かなくなってとてもつまらないゲームになってしまったのだ。


そういう状況になってからの10分間、会場はブーイングに包まれていた。

私はサッカーファンではないので、正直予選敗退するならするで別に良かった。

ただ今観ている試合が面白い方が重要だった。


だが、監督や選手にとっては当然そうではない。

やはり予選突破できなかったら、ファンからかなり批判されるようだ。

それに報酬も変わってくるのだろう。

サッカーの解説者やテレビ局なんかも決勝トーナメントに出てくれた方が懐が潤う。

予選突破することを第一優先にしても無理はないし、予選突破のみを目標と考えるなら、ポーランドの都合も計算した上で割り切ったいい作戦で、個人的にはむしろ清々しさすら感じる。


しかし、サッカーで必死に勝とうとするのはなぜなのだろうか。

あえて言えば、単なるサッカーごときで。


それは、選手や監督個人をベースに考えれば、勝った実績が報酬や名声に繋がるからだろう。

そして、サッカー業界全体のビジネスとしての意味は、勝つために切磋琢磨して必死で戦う姿や、それによって生まれるプレーを見たい人がいることによって、直接的にしろ間接的にしろお金が入るからだ。


本来、プロサッカーの顧客にとっては、なんでもいいから勝てば良い訳ではなく、勝ちにいく過程を観て楽しめることが重要なのではないかと思う。


私個人の希望としては、観ている客が楽めることを第一ミッションにしてほしかったという気持ちはあるが、サッカーファンの方々にとっては次のゲームも見られる方が嬉しいのかもしれない。


いずれにしても、自らが成長するためによく考え、ハードなトレーニングを続け、強烈なプレッシャーの中で結果を出していくアスリート達を尊敬しているので、それほど文句を言うつもりはない。